土曜日, 4月 04, 2009

世界最大の個人主義者達

スウェーデンのビジネス紙DIのWeekend版に、「世界最大の個人主義者達 - スウェーデン人は、こうして自由に飢えた一匹狼的国民になった」(Världens största individualister)と題する興味深い記事が掲載されていたのでご紹介。 世界97カ国を対照に、5年毎に行なわれているWorld Values Surveyの調査結果について、Ronald Inglehart社会学教授らによる分析を取り上げながら、スウェーデン人たちが、どのように世界最大の個人主義集団になったかを論じている。
「我々は、病気の親を介護するために自由を諦めたくもなければ、子供を持っているがためにキャリアを諦めたくもない。 自分自身が年老いて病気になった時でも、(子供に)頼る状況には陥りたくない。」 政府が推進してきた自立と平等のための家族政策は、家族のための政策というより、個人の自己実現のための政策であったと。 

個人主義といっても、傲慢を美徳としない"Jante"ルールと、勤勉さを説く宗教、それに愛情への姿勢が、スウェーデン人たちを最大の個人主義集団にしたと。

宗教 (多くがルーテル派プロテスタント) はスウェーデン人たちを勤勉で豊かにしたが、社会福祉の拡大によって、宗教の必要性がなくなった。スウェーデン人達にとっては「愛情イコール自立」で、人間関係は平等を基礎にして築かれる。 個人の幸福を追求するあまり、学校や職場の流動性や離婚率は高く、世界で最も孤独な集団でもあるが、それは否定的なことではない。 

個人主義のパラダイスであると信じられてきたアメリカ社会は、金融危機で露呈したように、社会福祉に不備があり、他国と比べて特に高い自己実現の可能性を与える社会ではなかった。 アメリカンドリームは、夢にすぎないと。

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