火曜日, 2月 27, 2007

メディアの攻防(2)

IPTV周辺の動きが活発で、その関連ニュースがスウェーデンのメディアで最近よく目につく。ちょっと拾ってみると、エリクソンがノルウェーのTandberg Televisionに買収申し入れをしており、米国のArris社と競っている。またJoostがフィルム配信を可能にするViacomと提携した。Joostは米国のBusiness2.0誌が、注目に値する新興企業25社のリストThe Next Net 25の1社に上げている、例のスカイプの二人が関わっている会社だ。検索サービスのEniroは、スウェーデンのビデオコミュニティー、Bubblare.seを買収した。また、へニング・マンケルのバランデル刑事シリーズを映画化しているYellow BirdをZodiak Televisionが買収したなどである。

極めつけは、ノルウェーのNRKに関する記事だ。NRKは公共放送サービス会社だが、自社プロダクトだけでなく、ハリウッド映画も視聴者がダウンロード出来る新しいビデオサービスを今春始めると、インターネットワールド紙が報じている。 NRKは日本でいえばNHKのようなものだが、そこがインターネットを通じて、自社コンテンツのみならず商業映画を配信販売することになる。(MPS Broadband社のプラットフォ-ムが使用される)

土曜日, 2月 17, 2007

世界的スキー選手を次々生み出す地域力

人口540人のテーナビー (Tärnaby) というスウェーデンの町?村から、世界的なスキー選手が次々と生まれている。スウェーデンのオーレで2月18日まで開催されている世界アルペンスキー選手権で、既に銀メダル3個、銅メダル1個を獲得したアニヤ・ペーション (Anja Pärson) もその一人。75年前に設立されたテーナビーのスキークラブ、KIフィエールヴィンデン (KI Fjällvinden) で小さい頃からスキーに親しんできた。専属のトレーナーがいるわけではなく、子供達の親がトレーナー役となり、地域のスキースロープは子供達の保育園代わりにもなっているようだ。

1970年~80年代にかけて活躍したインゲマール・ステンマルク (Ingemar Stenmark) もテ-ナビーのスキークラブに所属していた。18年前に競技生活から身を引いたインゲマール・ステンマルクがオーレで往年の名選手と共に記者会見を開いた。目的は1995年に練習中の事故で下半身不随となったThomas Fogdösの基金、ALF (Active Life Foundation) への寄金を募るためだ。競技生活で障害を受けたスポーツ選手を支援する基金だ。

スウェーデン北部ラップランドにある小さなテーナビーが、オーレに集まっている世界のジャーナリスト達の関心を集めている。 テーナビーはそこで、その秘訣を探るプレスツアーを企画し、世界のジャーナリストたちを招待している。地域の特性を積極的に活かして子供達を育成し、子供達がそれに答えて成長する、地域の底力を感じさせる。

土曜日, 2月 10, 2007

メディアの攻防

スウェーデンの2大日刊紙、スヴェンスカ・ダーグブラーデット (Svenska Dagbladet) とダーゲンズ・ニーへテル (Dagens Nyheter) 両紙で、新聞記事を取り上げているブログにウェブ上でリンクが張られるようになった。2月10日のDN紙で、「New York TimesやWashington Postのブログ界との協力はよく知られた例だが、ヨーロッパでは両紙がはじめての試み」と紹介されている。スウェーデンのPrimelabs社が開発したTwinglyというブログ検索プログラムが利用されている。SvD紙が、旅行のウェブ・コミュニティーMintur.seを買収したというニュースも先日出ていた。新聞社がブログやSNSに接近している。

スウェーデンのプロガーのポータルとしては、2005年8月に立ち上げられたBloggportalen.seというのがあるが、これは2006年6月に夕刊紙アフトンブラーデット紙 (Aftonbladet) に買収されている。このアフトンブラーデットも上記SvD紙も、実はノルウェーのSchibstedの傘下にある。Schibstedコンサーンにはこの他、ノルウェーのAftenpostenやVG紙、検索のhitta.seや車、家、家具などあらゆるセカンドハンドのものを探すことができるblocket.se、モバイルコンテンツのAspiroなども入っている。

DN紙はエクスプレッセン (Expressen)、ダーゲンズ・インダストリ (Dagens Industri)、ストックホルム・シティー (Stockholm City)各紙、TV4、SFを傘下に持つメディア・コンサーン、ボニエール (Bonnier) が所有している。

スウェーデンのメディア企業グループには、他にもKinnevikというのがあって、Tele2、TV3、ラジオ局、映画会社などを持ち、無料新聞メトロは世界19カ国で配布されている。スウェーデンでのアナログTVからデジタルへの移行は2005年に一部開始され、2008年2月に完了予定だが、ストックホルムは今春移行されるので、KinnevikコンサーンのひとつViasatをはじめ多くの配信会社がキャンペーンを張っている。DN紙がその様子を「デジタルTV戦がはじまった」として報告している。TVと言えば、毎年12月10日に行われるノーベル賞授賞式と晩餐会のTV放送権がSVTからTV4に移るという記事が10日出ていた。

月曜日, 2月 05, 2007

水上ホテル

洪水の被害が出ているというニュースを見ていて、今年初め頃にスウェーデン企業が新しい建築素材でデラックスな水上ホテルを建築するという記事が出ていたのを思い出した。古いニュースを検索して出てきたのは、Oceanic-Creationsという会社で、ブルガリアで452室のホテルを建築し、2010年に完成予定のホテルを特殊な船でメキシコのマリーナまで牽引してゆくとか。

新しい建築素材というのは、潜水艦等を製造しているKockumsという会社が元々開発した素材で、Oceanic-Creationsがその技術や素材を別分野で利用するため、20年契約を結び水上の学生用住宅やホテル建築に使う事になったと記事に載っている。ドバイで海上都市を開発している会社などからの引き合いがあるらしい。海に囲まれた日本での可能性を考えていたら、ちょっと想像が膨らんだ。