金曜日, 12月 15, 2006

オープン・アクセス・ブロードバンド・ネットワーク

IP電話が気になっている時、PacketFront社がIP電話の42Networksを買収したというNyTeknik誌の記事を目にした。PacketFrontは、光ファイバーによる高速大容量通信のブロードバンド・システムを提供している会社だが、この会社がユニークなのは、電話にせよ、テレビにせよ、インターネットにせよ、特定の通信事業者やサービス事業者に偏らず通信システムへのアクセスをオープンにしていることだ。

スウェーデンにSSNFという企業組織がある。地域の通信ネットワークは、水や電気や医療、教育システム等と同様、地域住民に供給されるべき基本的なインフラであるという考え方から、通信事業者、サービス・プロバイダーなど各地域の通信関連企業が会員になって、中立的な立場で地域(コミューン)の通信ネットワークを構築しているStadsnät の全国組織である。PacketFront社もこの会員で、42Networksの買収によって、IP電話へのアクセスを広げたということだろう。 尚同社は、Deloitte Swedenによる2006年度のRanking List Rising Stars 25の3位に入っている。

国民の住宅環境を底上げしたFolkhemの政策や、発展途上国でモバイル・ステーション用のバイオ燃料に取り組むエリクソン、良質のデザイン商品を多くの人々に供給するというイケアの企業理念にも共通した、スウェーデンに特有な、個人の自由度、選択肢を広げるための民主的なフィロソフィーが根底にあるのではないだろうか。

月曜日, 12月 04, 2006

スウェーデンのコミュニティーサイト、旅日記

旅行保険会社が運営するResedagboken(旅日記)というコミュニティー・サイトがある。会員数は約13万で、YouTube, MySpace、Mixi等の規模ではないが、このサイトのユニークな点は、会員がリアルタイムで写真や旅先の様子を投稿しており、友人、知人、特に母国にいる家族らが、旅人の居場所や出来事を逐次知ることが出来るということだろう。旅人の名前や旅行先で検索が出来、メッセージを送ることが出来る。他の会員やゲストも、興味のある地域からの生の情報や画像を見ることが出来る。旅行記や旅の口コミ情報交換の場を提供しているコミュ二ティーは多いが、現に旅をしている旅人からの生情報を主体にし、刻々と投稿をアップしているサイトは少ないように思う。

2004年12月、太陽を求めて多くのスウェーデン人達がクリスマスの休暇を過ごしていたタイで、津波による500人以上の犠牲者が出たことは、まだ記憶に新しい。実際当時このサイトがどのように使われたかは知らないが、緊急事態が起きた際、家族にとってはこのようなコミュニティー・サイトが旅人の安否を探るよい手段になることは確かだろう。

後日記: 会員数4700人の同様のサイトMintur.seを日刊紙SvDが買収した。