火曜日, 10月 31, 2006

就職希望企業ランキング

スウェーデンで4-5年前に卒業した平均年齢30才、約2000名を対照にした、就職希望企業ランキングのアンケート結果がメディアで発表されている。トップ10は下記の通り。 この他、11位にノキア、15位にTietoEnator、16位にH&M等が入っている。

1.ソニー・エリクソン
2.エリクソン
3.マイクロソフト
4.イケア
5.ボルボIT
6.VM-data
7.Capgemini
8.HiQ
9.Saab Ericsson Space
10.IBM

トップ10の半分が外資系であるのが日本と違う。2006年の日経就職希望ランキングでは、サントリー、ANA、トヨタ、資生堂、JTB、松下、三菱UFJ、JAL,みずほ、東京火災となっているようだ。私が卒業した1974年当時は、三井、三菱、住友、丸紅等の商社や日本航空などが人気があったように記憶している。2位に入っているANAは、当時はまだ国際線を飛んでいなかった。この30年ぐらいの就職希望ランキングのリストがあれば、時代の変遷が観察できて面白いと思い、ちょっと探してみたが出てこなかった。いずれにしても、国を問わず若者のブランド志向は高いようだ。

金曜日, 10月 27, 2006

Swedish Games

ホームページでSwedish Game Fair狩猟見本市レポートを載せたら、マイナーな話題にも関わらず日本からのアクセスが少なからずあった。日本では狩猟というと動物虐待という面でしか見られない傾向があるようで、エコロジカルな狩猟もあるのだということをスウェーデンの場合を通して紹介したかったのだが、後になって、もしかしたら訪問者は、ゲームはゲームでも狩猟ではなく、スウェーデンのコンピューターゲームを探してアクセスしたのではないかと思い至った。

そこでスウェーデンのゲームサイトを探ってみた。Digital Illusions社 (DICE) が2002年に出した「Battlefield1942」 は、日本にも公式ページがあるように、世界的に良く知られたスウェーデンのゲームだ。ゲーム誌SuperPLAYが主宰している「ゴールデン・ピクセル賞」のオンライン・ゲーム部門賞他、沢山の賞を受賞している。ノーベル賞の授賞式が行なわれるストックホルムのコンサートホールで、今年6月ロイヤル・ストックホルム・シンフォニーオーケストラによるゲーム・ミュージック・コンサートがあった際にも、バトルフィールドの音楽を作曲したJoel Erikssonと「Chronicles of Riddick」のGustaf Grefbergが、日本の「ファイナルファンタジー」などの音楽を担当した植松伸夫氏と共に参加したようだ。 DICEは現在米国の販売元Electronic Artsに買収されている。

スウェーデンのゲームサイトGON、ポータルサイトplayingを見ていると、「メテオス」「ルミネス」を開発した日本のQエンターテイメントの水口哲也氏のインタビュー等が載っていて、日本では発売されていない「ルミネスII」の話題などが取り上げられていた。チャットのタイトルに日本語が使われたりして、日本のゲームへの関心は高いが、スウェーデンも意欲的だ。

モバイルとPC用の斬新なゲームに授与される Swedish Game Awards というのは、元々スウェーデンの王立工科大学の学生によってゲーム開発の技術を磨くために2002年に設けられた賞だ。相撲のゲーム等が開発されていて面白い。 ビジネス誌のAffärsvärdenが、YouTube現象が見られるかもしれないとして8サイトを挙げているが、その中にもHabbohotel.se (Sulake Corp. OY Finland) やPlaydo.se等のゲームサイトが入っていた。その他インターネット・ワールド誌による2006年度の10ベスト娯楽サイトにKing.com Blip.se が入っている。スウェーデンからまた世界的なヒットが出ることを期待したい。

木曜日, 10月 26, 2006

ノルウェーが日本人観光客を歓迎

ノルウェーの観光業界が、アジアからの観光客を2010年までにもう百万人増やす計画を立てている (forbruker.no) 。特にノルウェーが歓迎しているのは、日本からの観光客だ。日本人観光客は、ノルウェー滞在中に消費する金額が各国中最も高く、一日の消費額が平均3300クローナで、スウェーデン人観光客より2357クローナも多いと報告している。一番消費額の少ないのはスウェーデン人観光客で、記事の見出しは、「けちなスウェーデン人」。 オランダ人やデンマーク人観光客の財布の紐も固い。

一方、けちといわれたスウェーデン人の方は、英国のThe Guardian誌による最近の調査で、英国人が最も好むヨーロッパの旅行先がスウェーデンであったことを「スウェーデンが一番人気」と誇らしげに報じている。この調査では、ノルウェーはイタリアに続く3位であった。

日本人観光客として歓迎されるのは悪い気はしないから、フィヨルド観光にわんさと訪れて、精々お土産をたくさん買って地元への置き土産にしよう。

木曜日, 10月 19, 2006

ナニーゲートって何?

12年ぶりに社会民主党から中道右派の連立政権に政権交代したばかりのスウェーデンだが、ラインフェルト新首相による閣僚陣のスキャンダルが相次いでマスコミに暴露され、なんとも騒がしい。問題になっているのは、TV受信料を払っていなかった文化相、ベビーシッターを税金を払わずに雇っていた商業相や財務相、労働許可のない家政婦を雇っていた移民相だが、その内文化相と商業相がその責任をとって辞任している。

新聞読者の投稿欄では、取材するジャーナリストを社会主義的ジャーナリストと呼ぶ人、スウェーデン人の嫉妬癖を指摘する人、政治家に要求される原則論を持ち出す人など様々だが、マスコミの過剰な突っ込み姿勢を批判する声が大きくなってきている。ジャーナリストが新大臣になって、元大臣が彼らのスキャンダル探しをすれば似たようなケースはすぐに発覚するというような投稿もあった。

英国のマスコミは、スウェーデンの新政権発足時のこのスキャンダル騒動を、ウォーターゲートならぬ「ナニーゲート」(Nannygateベビーシッターゲート) として報告しているようだ。

火曜日, 10月 17, 2006

なぜか気になる北欧

スウェーデンでの生活を通して感じたことや、旅の情報を紹介するために始めたウェブサイトを運営し始めて2年程になるが、個人の印象等はウェブサイトでは書ききれないこともあり、ブログなるもので綴ってみることにした。そのウェブサイトのニュースページの情報収集のため、地元の各種メディアに毎日目を通していて最近感じることは、人口の少ない割には北欧各国が世界的に活躍するIT分野の個人や企業を多く生み出しているのはなぜだろうという素朴な疑問だ。スウェーデンのエリクソンやスカイプの創設者、フィンランドのノキアやLinuxの開発者、ノルウェーのTelenorやブラウザのオペラなどが頭に浮かぶ。理由として考えられるのは、下記のような点だ。

1.人口が少ないため、国内市場より世界市場が最初から視野に入っている。
2.個人の自主性を尊重する文化的伝統がある。
3.ノーベルに代表されるように新しい技術を取り入れる積極的な姿勢を持っている。
4.アイデアをシステム化するのが上手。 

ひるがえって日本はどうだろうか。

1.鎖国的で国内市場を先ず重要視する。
2.個人より組織が優先されがち。
3.鎖国的でも海外の新しい技術は気になる。
4.団体で物作り体制を敷けば優秀だが、最初のアイデアが出難い。

などと結論つけてしまうのは間違っているだろうか。しかし今はやりのWeb.2.0にしても、基本は個人の自主性によって成り立つもので、それが組織化して力になっている。言い出しっぺになれなくても、日本は組織化した時点で、新しい力の発揮どころを模索するのが良いのかも知れない。

賞を与え上手なスウェーデン

スウェーデンは賞を授与するのが好きな国である。ノーベル賞は言うまでもなく、国内の産業団体や新聞、雑誌等が主宰する各種の賞が設けられている。デザイン部門では、「デザインS賞」、文学部門では「アウグスト賞」、ファッション部門では「ゴールデンボタン賞」、IT産業では「ゴールデンマウス賞」、広告産業の「ゴールデン・エッグ賞」、ゲームの「ゴールデン・ピクセル賞」など沢山あるが、10月26日には、モバイル雑誌が主宰する「ゴールデンモバイル賞」が発表される。授与対象が18部門設けられている中で、新しいモバイル関連企業に授与されるNewComer賞にノミネートされている企業の一覧が面白い。スウェーデンのモバイル動向を探る目当てにもなるし、ノミネートされる新興企業にとっても、将来の発展への励みになるだろう。

ノミネートされているのは、モバイルマーケティングのMobiento, モバイルゲームのGlobalFun, スカイプに似たIP電話サービスのWoize, モバイルアプリケーションのSofthouse、広告のマークをカメラ携帯で写すと情報が発信されるShotCodeを開発したOP3、ウェブTVのオペレーターKamera、3GサービスのIronroad、ウェブメイルのPlus46などである。これらの企業がこれからどう展開してゆくのか観察するのも面白い。

後日記:  新企業賞には、3GサービスのIronroadが選ばれた。